「嫌われ松子の一生」

ただただ暗く、救いがない。

ミュージカル風の演出が悲惨さを感じさせない作りになっているが、そのせいで松子が元から頭のおかしい人物に見えて狂気を感じさせる。

晩年の松子が、妹の寝台に飾ってあった吊るし飾りに見立てた折り紙細工(しかもチラシ!)を吊るすシーンで爆泣きした。

手に入らないものを追い続ける人生は辛い。ましてやそれを得るため必死になっている姿を「神が宿っている」なんて恋人に言われてしまったらもう立ち上がれないなぁと思った。

 

 

嫌われ松子の一生(上) (幻冬舎文庫)
 
嫌われ松子の一生(下) (幻冬舎文庫)